ここ3年は、特に夏の暑さが身にしみませんか?真夏日や熱帯夜の増加、気候変動は年々大きくなっています。人に対してのインパクトも大きいですが、ペットに対するインパクトも同様ですね。
愛犬に対しての暑熱の影響は、暑さの生体へのストレスという直接的な作用と取り巻く環境に関係した間接的な影響が考えられます。

直接的な影響は、犬の体力を奪うということです。暑熱に配慮した飼い方をしないと、最悪、熱中症で亡くなります。犬は汗腺を肉球にしか持たない暑さに弱い生き物です。パンティング(息を吸ったり吐いたり)で熱を発散し逃がすことしか自分では体温調整ができません。したがって、飼い主の意思で、涼しいところで過ごさせる、風通しのよい日陰に飼育場所を移すなど対策がますます必要になっています。

間接的な影響としては、蚊の発生する期間が長くなることで、フィラリア症に感染するリスクが高まることです。実質、5月から10月までは絶対注意期間、4月から11月までがリスクヘッジ期間と言えましょう。しっかりとフィラリア症からガードするために予防薬を使ってください。また、このまま温暖化が進むと新たな愛犬の病気が流行してくることも想定されますので、情報の収集も大切なことです。
さらに、基礎疾患を持った愛犬がいる場合には、暑熱ストレスがその疾患をさらに悪化させる可能性や肥満となった愛犬でも心臓はじめ各臓器の負荷が高くなっていますので、飼育環境への配慮はさらにしておく必要があります。
最後にお願いです。『ペットは家族』との認識が高まっています。炎天下の屋外で犬を係留して飼育することは、かわいそうな飼い方という認識の方もいます。もちろん、一時の場面を見て大騒ぎするのは論外ですが、地球温暖化が進んでいること、暑さは犬にとってはストレスであること、病気を助長することを踏まえて、愛犬に配慮した飼育場所を考えて対応してください。
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